日本酒って古くなると酢になると聞きました。本当ですか?
間違いです。日本酒は古くなると古酒になります。
ちなみに、雑菌特にお酒の中で生育できる乳酸菌が入ると酸っぱくなることがないとは言い切れませんが、酢にはなりません。酢の製造は、アルコール発酵させたアルコールに酢酸菌を植えて発酵させて造ります。日本酒に酢酸菌を植えると確かに酢になりますが、天然ではまず酢酸菌は入り込みません。おそらく、酢になるというのは、日本酒から酢を作ることが出来るということと、乳酸菌が入って酸っぱくなるということをつなぎ合わせて出来た俗説だと思います。ちなみに、乳酸菌が造るのは乳酸で、酢酸菌がつくるのが酢酸(お酢)ですので酢にはなりません。
日本酒で四段仕込みというのは、美味しいお酒なんですか?
あまり関係ありません。
四段仕込みというのは、仕込みの方法です。通常の日本酒は、三段仕込みという方法で、蒸し米を添え仕込、仲仕込み、留仕込みという三回に分けて、だんだん増やして仕込みます。酵母の増殖をうながして発酵を確実に進める方法で江戸時代中期に確立された手法です。これに対して、四段というのは甘口の日本酒を作るために最後に蒸し米を糖化させて仕込む方法です。美味しいお酒の指標にはなりません。
日本酒の表示には、製造方法を示す表示がよくあります。山廃、生もと、袋吊り、斗瓶囲い、など。酵母の表示も、協会酵母とか、いろいろあります。これらの製造関係の表示は美味しいこととはかならずしも一致しません。しかし、すこし勉強することでお酒の履歴書代わりになることもあります。ちょっと、難しいところもありますがウンチクも日本酒の楽しさの一つでしょうか?
原料米の精米した糠は捨てるのですか?
捨てません。食品原料になります。
糠といっても種類があって、外側から、赤糠、中糠、白糠、上白糠、の4つに分けます。赤糠は、果樹園、田んぼ、などに使用するために近所の農家さんが取りに来ます。それ以外の糠は、ほとんどデンプンですので調味料とか焼酎とか煎餅に使用出来ますので、業者さんが取りに来ます。もともと、清酒製造業はほとんど捨てるものの出ない、環境に優しい産業です。排水としては米洗いで出る糠の入った排水と瓶の洗浄で出る排水くらいです。
瓶の色はなんで付いているのですか?
品質保持のためです。(および商品の差別化)
瓶の色は、黒、茶、緑、透明がよくある色ですが、そのほかには青とかピンクとか黄色といった妙な色があります。清酒は日光を嫌います。日光に当たると日光臭という劣化した香りが発生しますし、色も付きます。光を遮る効果は、黒、茶、緑の順に低下し、透明がまったく効果なしということになりますが、近年は透明瓶でもUVカットの瓶もあり品質保持には良い瓶があります。また、お客さんが手に取るものですから見栄えも無視できません。きれいな色の瓶という商品もお酒を楽しく飲むために大事な要素です。(これはラベルも一緒です)
私はお酒を冷やして飲むことが多いのですが、先日酒屋さんで「燗用のお酒」が売られていました。普通のお酒とどこが違うのですか?
蔵元が燗向きといっているお酒は、よく熟成したお酒が多いようです。ただ、これも蔵元の主観ですので、かならずしもみんながみんな燗向きと認めるわけではありません。普通のお酒が燗に向かないわけではなく燗で十分美味しいことも多々あります。
燗にして暖めたお酒は、人の味覚の特性で、旨みと甘みを強く感じるようになり逆に苦味、酸味を弱く感じるようになります。燗に向く酒は、良く熟成した酒がバランスよく感じることが多いのですが、一方にごり酒の生を燗しても割合美味しいことがあります。いろいろと試してみることもお酒の楽しみ方の一つですし、お燗は、美味しいお酒をより美味しく楽しむ方法の一つです。
先日、九州に旅行に行って「地酒を下さい」と言ったところ、新潟の酒が出て来ました。地酒ってその土地のお酒のことではないのですか?いまだに腑に落ちません。
もともと地酒とは、下り酒(灘酒)に対する地回りの酒の意味ですので、地元の酒という意味です。新潟の酒という意味ではありません。
地酒の旗手として新潟のお酒が全国へ普及した行き過ぎの現象ですね。新潟の淡麗辛口の酒質は日本を席巻しましたが、今は新潟タイプでない酒もずいぶん一般的になりました。山形、広島、静岡、北陸、山陰、など、各地でさまざまな酒質のお酒が作られています。本当に、百花繚乱、地酒の美味しい時代だと思います。これも日本酒の楽しみの一つです。これが旨い、あれが美味しくないと決め付けないで、いろいろ味わってみて下さい。かならず発見があります。
酵母の種類で協会酵母って何ですか?
財団法人日本醸造協会の頒布する酵母のことです。
酵母は、日本酒の醸造に不可欠の微生物で、清酒用の酵母は、パン酵母、ワイン酵母、などと違った性質を持つ酵母です。日本酒の酒質向上を図るために、協会が各地の良い酵母を集め、培養して配布しているのが「きょうかい酵母」で、いろいろな種類があります。代表的な酵母に、「きょうかい7号」、「きょうかい9号」などがあり、7号は、信州の真澄(ますみ)、9号は熊本の香露(こうろ)という酒銘の蔵から分離された酵母です。
高い大吟醸より安い純米酒のほうが美味しいと思うのですが、変ですか?
変ではありません。美味しさは、きわめて個人的なものです。
大吟醸酒は、高価な原料を使用して高度精米(よく削って)して、いわゆる吟醸作りという手間をかけた製造法を取るために、どうしても高価になります。しかし、大吟醸酒が個人の味覚として安価な(大吟醸酒と比較して)純米酒よりかならず美味しいと感じるとは限りません。大吟醸酒の特徴の華やかな香り、すっきりとした後口なども、例えば、極端ですが燗で飲む純米酒と比べると、奇妙な香りと飲み応えがない、という感想を持つ人もいらっしゃると思います。要は、好き好きになります。味覚はきわめて個人的なものです。一般にお酒と料理の相性というようなことも言います。美味しいと思うお酒を美味しい食べ物と一緒に楽しめれば、楽しく肩肘はらずに楽しめることが一番だと思います。そのためにも、すこし日本酒のことがわかると楽しいかと思います。
ぶどうが原料のワインがフルーテイーというのはわかりますが、なんで米が原料の日本酒がフルーテイーなのですか?
醗酵で、酵母が作る香り成分が果物の芳香と同じものが出るからです。
いわゆる吟醸香といわれる芳香成分は、酵母が特殊な環境におかれたときに作り出す成分で、その香りはリンゴの香り、バナナの香り、洋ナシの香り、桃の香り、などにたとえられます。お米は、ほとんど香りがないのになぜとよく言われますが、日本酒の香りは、酵母が作り出す芳香成分由来のものがほとんどです。また、この香りは、麹の造り、仕込み経過、酵母の種類などによりさまざま。同じ材料でも香りを強くする場合、控える場合、いろいろとコントロールも可能です。製造の腕の見せ所ともいえるかと思います。
「冷酒を下さい。」というと、生酒ですか?と聞き返されました。違いを教えて下さい。
冷酒という種類の酒があるわけではなく、冷やしても美味しく飲めるお酒くらいの意味です。生酒とは、火入れという低温殺菌処理をしないお酒で、通常は冷やして飲みますので、混同されることが多いと思います。
夏に冷たいお酒が飲めるようになったのは、冷蔵庫が普及してからのことですが、普通のお酒を冷やしてもさっぱりいただけます。生酒は、しぼったままの香り、さっぱりした味わいが新鮮ですが、夏にかかると熟成してぐっと味が乗ってきます。おすすめは、氷を一つ、二つ、グラスに落として召し上がって見て下さい。氷が解けるにしたがって味わいが変化します。
日本酒を飲むと太ると聞きました。本当ですか?
成分的には、他の酒類と比較して太ることは考えられません。
お酒のカロリーは、簡単に言うとアルコール濃度に比例します。
ただ、お酒のおつまみは高カロリーのものが多く、おつまみの食べすぎにより太ることは有りそうです。日本酒二合だと約380キロカロリーになりますが、同じカロリーで他の酒類だと、ビールで900ml、焼酎だと270ml(25%)飲めます。焼酎は割って飲みますので、6:4で約3杯といったところです。ただ、ご飯軽くいっぱいが160キロカロリーですので、これだけ飲むとご飯二杯分になります。お酒を飲むときは、肝臓を守るために高たんぱくで、肥満防止のために低カロリーのものを注意して食べることが必要です。また、日本酒は食事を美味しくする働きがありますのでこれも太ると言われる原因かもしれませんが、楽しく飲んで食べるために貢献していることになりますので、つらいところです。
お酒の消費期限について教えて下さい。
お酒には消費期限はありません。保存法が適切ですとかえって美味しくなります。
お酒には、美味しく飲める期限はありません。つまり古くなっても飲めます。さらに適性に保存すると熟成して美味しくなります。熟成した酒が好きか、新鮮な酒が好きかは個人の好みの問題です。
酒税法の表示では、日本酒は製造の年月を表示することになっています。ただ、この製造というのは瓶詰して製品にした時ですから、蔵で例えば10年間貯蔵したお酒でも瓶詰した時が、製造年月になります。
日本酒は、ワインと同じ醸造酒ですから瓶詰後でも熟成が続きます。保管は出来るだけ冷暗所という風にお伝えしますが、人が暮らしていける範囲の温度であれば、室温で保管できます。蔵があれば最高ですが、無ければ台所などはぴったりです。よく熟成した純米酒などはお燗でその真価を発揮します。もし、信頼できる小売店さんが近くにあればぜひ、製造年月の古いものをお買い求め下さい。値段以上の価値があります。
ちなみに、ワイン、リキュール、焼酎、などの酒類は製造年月表示義務がありません。
日本酒の原料のお米は、国内産ですか?
原則、ほとんどの日本酒は、国内産のお米を使用しています。
日本酒は、大手も中小も含めて、ほとんどのメーカーが国産の原料米を使用しています。水もほとんどのメーカーが自社、または近所の井戸水を使用して製造してます。ということは、ほぼ100%国内産の原料でできているお酒だということになります。(これはあまり普段宣伝してませんが、もっと消費者の皆さんに知ってもらいたい事実です)
ちなみに、ビールは、ほぼ100%近くが外国産のビール麦、焼酎も、麦焼酎ですと、麦はオーストラリア産、米麹の米は中国産というケースが多いようです。
また、まれに外国産の原料米を使用している日本酒があり、その場合は原料に外国産原料使用、と書くことになってます。
本醸造酒、吟醸酒に添加するアルコールの原料はなんですか?
最も多いのは、サトウキビを原料にした醸造アルコールです。
また、米原料のアルコールを使用しているメーカー、ごく稀に自社で製造した米焼酎を添加しているメーカーもあります。
アルコール添加の効用は(特に吟醸酒)、香り成分をもろみから引き出すことと、端麗でキレの良い酒質(すっきりとあと切れの良い)にするためです。アルコールは連続式蒸留器で99%以上まで精留したものに水を加え、30%程度に薄めて加えます。
日本酒には防腐剤が入っていると聞きました。本当ですか?
本当ではありません。清酒には防腐剤などの食品添加物は使用されておりません。
昭和48年に清酒用の防腐剤としてのサリチル酸使用が禁止されてます。それ以前のお酒は、ほとんどサリチル酸を使用してました。火落ち菌という清酒を濁らす、乳酸菌の一種の増殖を防止する薬剤です。間違いなく低温殺菌(火入れ)を実施すればサリチル酸のお世話にならなくても日本酒が濁ることがないことがわかって、今では使用されていません。
表示にある精米歩合って何ですか?
原料の玄米を磨いて白米にしますが、その白米をどのくらい精米したかの割りあいを示します。
精米歩合70%ですと、30%の外側部分を糠として除去したことを示します。40%ですと、60%もの部分を除去します。ちなみに吟醸酒とは精米歩合60%以下のお酒、大吟醸酒とは50%以下のものを言います。一般的に、よく磨くほど味わいはすっきりしますが、旨みは繊細になります。あまり磨かない純米酒がよい方もあれば磨いた大吟醸酒のよい方もあり、これはお客様の好き好きになります。
酒造りには、酒用の米を使うと思いますが、食べる米ではお酒は作れませんか?
出来ます。造れます。
実は、日本酒トータルで見ると、酒米(酒造好適米)の使用比率は、約15%、残りの85%は食べる米で日本酒は製造されています。一般的なのは、日本晴、などですが、コシヒカリのようにもちもちしたお米ですと蒸したときに扱いにくいのでいけませんが、さっぱりしたお米ですと十分使えます。ただ、酒米とは使用方法が異なり、主に掛け米として使用されることが多いようです。酒米は、酒用に育種されただけあって、麹が作りやすく、溶けやすく、良いお酒になります。
日本酒の原料はもちろんお米ですが、米を原料としたお酒は他にありますか?
有ります。
中国の黄酒(ふぉわんちゅ)は、うるち米やもち米を使うお米のお酒です。紹興酒とか老酒の総称です。これを蒸留したのが、白酒(ぱいちゅ)、アルコール60度くらいの米焼酎です。また、タイやベトナムにも米のお酒はあるようです。この辺は実は、よく知らないので、どなたか解説して下さい。
中国から、朝鮮半島を経由して日本酒の製造法の原型が日本にもたらされました。その当時のお酒は、宮廷の酒として「延喜式」に製造法があります。その後、日本の風土に合わせて様々な改良が加わり、今の日本酒が出来上がったのが江戸中期。でも、未だにいろいろな改良が加わっている古くて新しい酒だと思います。
「1985十年古酒」を親友に10年前いただき、このほど飲もうかと考え見てみると、瓶の中へいっぱい「茶色の沈殿物」のようなものがたまっていました。このお酒は、飲めるのでしょうか?(岡山市Aさん)
この「茶色の沈殿物」は、麹由来のたんぱく質(酵素です)が長年の貯蔵で沈殿したもので飲用にはまったく差し支えありません。安心してお飲み下さい。
お問い合わせありがとうございます。また、弊社のお酒を大事に保管下さりありがとうございます。この沈殿物は、飲んで差し支えありませんし、人によると、この沈殿が出て古酒の完成という人もいるほどです。蔵によっては、この沈殿が出た古酒は「しめた」ということで出荷を停止して、もっと寝かせるそうです。間違いなく最高級品の古酒になります。古酒1985は、蔵でももうない商品です。この商品は、古酒独特の香り、味わいの深い完成度の高い古酒商品でした。ぜひ、お友達と一緒にお楽しみ下さい。
ぬるめの燗がおすすめです。あわせる食べ物は、もしチーズに詳しいお友達がいらっしゃる場合は塩気のあるナチュラルチーズ(ウオッシュタイプとかいうらしいです)が良く会います。
今後とも、諏訪泉では古酒をちょっとずつですが商品化していきます。古酒は日本酒の力(お米のちから)が良くわかる商品で、世界に通用するお酒だと思います。
先日飲んだ純米酒には色がありました。日本酒って色があるものですか?
はい、あります。いわゆる山吹色といいます。
しぼったばかりの日本酒は、自然な日本酒の色なのですが、すこし黄色がかった色をしてます。いわゆる山吹色です。また、熟成したお酒は、特に10年間とか熟成させるとお醤油を薄めたくらいの色にもなります。ものによると赤系統の色が強く出ていわゆるルビー色をするようなものもありますし、黄色が強く出ると黄金色になる古酒もあります。きれいな色です。
色があるのが自然な日本酒ですが、ときたま、まったく色のない、無色透明の日本酒がありますが、実はこのような日本酒は活性炭(食品用の活性炭素)で色を除いてあります。
色をとるのと同時に味も取れてしまって、さっぱりはしますが味わいにはかけるお酒になりがちです。
甘酒はお酒ですか?白酒(しろざけ)はどうですか?
甘酒はお酒ではありません。清涼飲料水に分類されます。白酒はお酒です。
一般に甘酒というと、いろいろなものがあります。一番簡単なもの(省略タイプ)は、酒粕をお湯で溶いて砂糖を加えたもの。通常は、麹を使って炊いたご飯を糖化して作ります。家庭で、麹を使って作るとすぐに酸っぱくなったり、その後アルコールが出来て辛くなったりします。
諏訪酒造の梶屋茶屋で出している「酒屋の甘酒」は、酒用に作った麹だけから出来ます。麹をお湯を入れて55℃で5時間あまり糖化、その後、急冷して冷凍保存します。もちろん、アルコールはありません。つど必要な量を解凍してお客様に出します。
この甘酒の特徴は、さっぱりとした甘さです。この甘みはブドウ糖、そして麹由来の各種ビタミン、さらにお米からのアミノ酸があり、まさに総合スタミナ飲料です。
甘酒は俳句の季語では、夏。江戸時代、冷やし甘酒が庶民の夏ばて防止飲料として愛飲されていました。
一方、白酒(しろざけ)は、みりんや焼酎などに蒸したもち米や米こうじを仕込み、1ヶ月程度熟成させたもろみを、軽くすりつぶして造った酒のことをいいます。昔からひな祭りなどで供えられ、白く濁り粘りと甘みがあり、アルコール分は9%前後、糖質が45%程度含まれ、酒税法ではリキュール類に分類されています。
「きもと」ってなんですか?
酒母(しゅぼ)の作り方で、伝統的な手法のひとつです。
仕込みに使う酵母を育てる「酒母」作りの手法ですが、強い酵母が出来るといわれています。 「きもと」は、速醸酒母が最初に乳酸を加えてPHを下げて雑菌を淘汰するのに対して、自然に混入してくる乳酸菌による乳酸の蓄積を待って、雑菌を淘汰して醸造用の酵母を純粋に育成する酒母です。速醸酒母が約二週間で出来るのに対して、約四週間かかります。
自然に混入してくる菌類(硝酸還元菌、乳酸菌)を上手に導き、雑バクテリアや野生酵母を淘汰して清酒酵母だけを優勢にする非常に巧みな技で、江戸時代の中期に確立された灘の技術です。
また、いろいろな菌が関与することだけではなく、最初に乳酸を入れないことによって、麹の酵素が蒸し米に作用してアミノ酸の多い酒母になるのも特徴です。ただし、あくまでも酵母の育て方ですので出来たお酒が美味しいかどうかは、直接は関係がないように思います。
日本酒の成分の特徴はなんですか?
世界のお酒のなかで比較すると、アミノ酸が多いことです。
成分の特徴を大まかに比較します。同じ醸造酒の仲間のワイン、ビールと比較していくと、ワインはブドウ由来の有機酸が特徴になります。ビールは、一番の特徴は低アルコールということですが、炭酸ガスを含むことおよび麦由来の糖分が多いことも特徴です。対して日本酒は、お米由来のアミノ酸を豊富に含むことが第一の特徴と言えます。また、ワインと比較すると酸が少ないことも特徴の一つだと思います。
この成分の特徴からみて日本酒は、その豊富なアミノ酸が食べ物を美味しくする作用があることがわかります。また、アミノ酸の旨みは、適度な塩分によって増強されますので、塩味のものと日本酒が相性の良いこともわかります。(昆布の出汁を見るのには、塩を入れた吸い物にしてみますよね)
こうじと酵母の役割はなんですか?
アルコール発酵(生産)だけを考えると、こうじは、米のデンプンをブドウ糖に変えること、酵母は、ブドウ糖をエチルアルコールに変えることが役割です。
基本的な、アルコールの生産に対する役割は回答のとおりですが、アルコールを生産することと、お酒造りは違います。あくまでお酒の醸造は、食品である美味しいお酒を造ることが目的ですが、アルコール生産は効率よくアルコールを作ることが目的になります。 お酒の醸造という観点から見ると、こうじも酵母も役割は、もっと多岐にわたり、その役割はすべて解明されていません。美味しいお酒を造るためには欠かせない、大事な役割を持ったこの微生物たちは、日本人がむかしから育ててきた微生物です。